Daichiです。

あれ?
なんか今季、インドが多くない?

先ほど一人で呟いた言葉です。

インドが多いとは、直訳すると

今季はインドが絡んだアイテムが多いように感じます。

と、いう意味。

SEEALLからはインドのシルクカディや長綿を使用したアイテムが届き、

今季から取り扱うインドのブランド「ITOH (イト)」も到着。

それに最近苦手意識のあるビリヤニに再度挑戦したいとも思っている。

この3つの要素から出た独り言でした。

独り言をこのまま放置すると、なんだか寂しくなるのでこのジャーナルに記載させてください。


インドといえば世界でも中国に並ぶコットン大国。

中でも有名な高級コットンといえばスビン綿でしょう。

元々あるインドのスジャータ種とシーアイランド系統の種を改良して生まれたのがスビン綿です。

今季のアイテムだとULTERIORのショーツの裏糸に使用されています。



インドはコットン大国ということだけではなく、
手仕事大国でもあります。

古代から受け継がれる手織りと手紡ぎ文化が今なお盛んで、世界でも希少な手織り生地の産出地でもあります。

現代でも350万人の職人がいるというから驚きです。

歴史を遡ると、一時はイギリスの近代化の影響で衰退をしかけたらしいのですが、
食い止めたのは私の父・・・否、独立の父であるマハトマ・ガンディー。

イギリスでは機械文明が進み、インドのコットンで生地を大量に生産しインドに輸出。
そうしたサイクルが出来上がると自国生産に携わっていた手織り職人たちは失業を余儀なくされ、貧困層の増加につながってしまいました。

そこで私の・・・否、独立の父ガンディーは伝統を失わないよう、そしてイギリスへの不服従の精神を表すために、イギリスから輸入される衣服を燃やし、国民にインドの伝統的生地の「カディ」を推奨し普及させたのだとか。

独立運動の際にガンディーが着用していた白いマント?もカディです。



ガンディーが自ら手紡ぎをしている写真も有名ですよね。

その結果、現在では世界の95%以上の手織り生地はインドが産出するほどの手仕事布大国となりました。


当店に入荷した、カディで仕立てたSEEALLのアイテムは以下の通り。

素材が先でカディを後に呼ぶことが多いです。

シルクだったらシルクカディ。
コットンだったらコットンカディ。
ウールだったらウールカディ。

今回は入荷したものはシルクカディ。
高級繊維シルクを手で紡ぎ、手で織る。

手紡ぎ特有の不均一な糸の太さを利用して自然な風合いのストライプを表現。
手織りならではの不規則な糸密度によりさらに奥行きが生まれます。

機械では出せない、このなんとも不恰好で自然な風合いがたまりません。


インドの手織り生地だと他にも、チンディやギャッペなど衣服を問わず様々な布製品として使用されていますが、どれも手織りという観点からみるとレベルが非常に高く、冒頭で述べたように熟練した職人が多くいることがわかります。

そして今季STOTELAで取り扱うブランドの一つ、ITOH (イト)もまた、自国の手織り生地を使うブランド。


ITOH|イト

デザイナー|Amit Babbar(アミット・ババール)

ITOHは、インド・ニューデリーを拠点とするメンズウェアブランド。
ブランド名である「ITOH」は、日本語の「糸」に由来し、その思想を象徴しています。
コットンやシルク、リネン、ウールといった天然素材を用い、特注による手織り生地を軸にコレクションを展開。
クラシックな型をベースに、ヴィンテージ衣料に宿る精神を現代的に再解釈。最高品質の素材と確かな技術によって、時代を越えて着用される衣服を生み出しています。

また、熟練した職人や織工たちとの継続的な協業により、その背景にある手仕事の価値までも丁寧に織り込まれており、手織りならではの温もりあるファブリックで仕立てます。


Hを加えると「イトウ」と呼んでしまいそうになりますが、日本語の糸が由来なので「イト」です。

体感の話になりますが、インドの細番手のコットンは特有のヌメ感のようなものがあると思っています。
あくまで個人的な感想なので正確ではないのですが、ギザやスーピマとも違う、とろみ感?のような。

柔らかさとしなやかさに加え、しっとりとしているんですよね。

その糸を手織りで織るとどうなるのか。


これは・・上手すぎる!
手織りと聞くと先ほどのカディような不均一さを想像しますが、
これはあまりに上手すぎる!

良い意味でも、悪い意味でも、です。

熟練しすぎた職人が織ると機械織りに匹敵する面構えになるんです。

強いて手織り部分を言うのであれば、糸の節がうっすらとあるくらい。

他国のアルチザンブランドの生地をみると、織り密度がバラバラで「クラフトしまっせ」ばりにアピールをしますが、その要素が微塵もない。

店頭でも「それ、手織りなんですよ」と伝えてピンとくる方が現在0人。
逆に私が本当に手織りなのかと不安になるくらい。

それぐらい高レベルの手仕事なのです。

写真はイメージです。


プライス面ですが、
各ブランドから販売される、手織り生地を使用したアイテムは価格が素晴らしいですよね。
シャツで2桁もザラにあるほどに。

しかし、ITOHのアイテムは4万円台。
ITOHが特別価格ということではなく、インドの手織り生地が世界的にみてロープライスです。

手織りでこの価格は良い・・・ことではありません。
販売側・購入側の立場からすれば魅力的に映る一方で、インドの手織り産業における価格構造は、実際にNGOなどでも問題視されています。

価格が安いということは、それだけ多くの職人が低賃金の中で働いているという現実でもあります。
本来、膨大な時間と労力を要する手仕事であるにもかかわらず、その価値までもが安価なものとして捉えられてしまう。
それは、技術や文化へのリスペクトが薄れてしまうことにも繋がります。

そして低賃金の状況が続けば、より条件の良い仕事へ人が流れていくのは自然なことなわけで。

結果として、手紡ぎ・手織りを生業とする職人は減少し、長い年月をかけて受け継がれてきた伝統技術そのものが失われかねません。

だからこそ、単に「安くて良い生地」として消費するのではなく、その背景にある工程や人の手、積み重ねられてきた文化ごと感じていただきたい。

私たち販売員ができることは、そういった内容も含め、モノの良さをお客様に伝えていくことなのです・・・(照)。


それでは最後に、あまりにも上手すぎた手織り生地のしっとりしなやかな着用写真を改めてご覧ください。


この手のシャツはたくさん着用を重ねて、ガンガンに洗濯をし、洗いざらしで着る!がおすすめです。

それでは店頭にてお待ちしております。



投稿者|Daichi