Daichiです。
ちょっと油断するとこのジャーナルを何日も更新せず、気がつけば最後の投稿から10日以上空いていました。恐ろしいですね。「忙しいは理由にならない」と昔誰かにどこかで言われたのを思い出しそうになりました。


本日はこちらをご紹介させてください。


【ブランド説明】

JUTTA NEUMANN/ユッタノイマン

JUTTA NEUMANNは、ニューヨークのイーストビレッジで1994年からクラシックなサンダルを作り続けるレザーグッズブランドです。ドイツ出身の職人、ユッタ・ノイマン氏によって設立。
ユッタ氏は1980年代にパリからニューヨークに移住し、ニューヨークでレザーサンダルを製作していた職人のもとで修行を積んだ後、1994年に独立し、自身のブランドを立ち上げました。現在も彼女と彼女の息子、そして数人の職人たちによってすべての製品がニューヨークの工房で手作りされています。

JUTTA NEUMANNのサンダルやアクセサリーはすべてハンドメイドで作られます。サンダルはひとつひとつ手で曲げられたアーチサポート(足の土踏まずの膨らみ)が特徴です。このアーチサポートは使い込むことで足に馴染み、履き心地が向上します。ソールのカーブが足にピッタリとフィットする感覚は、JUTTA NEUMANNならではの体験と言われています。


誰が言って広まったのかはわからないのですが、靴界隈でよく聞く”〇〇界のロールス・ロイス”。そうです。このJUTTA NEUMANNは”サンダル界のロールス・ロイス”と言われています。
そんなキャッチフレーズがあると販売員がよく言うのが、「本物のロールスロイスには乗れないから、せめて足元だけでも」。JUTTA NEUMANNが入荷する前、自分は決して言うまいと心に決めていたのにもかかわらず、届いて1分以内に言ってしまいました。

ちなみに数年前までブランド名のフリガナは”ユッタニューマン”だったのが現在は”ユッタノイマン”に変更されています。変更詳細は不明ですがユッタ氏に指摘をされたのでしょうか?
呼び名はとりあえずどちらでも可、とのこと。ドイツ名は馴染みがないので難しいですね。

ブランド説明にもある通り、ニューヨークのアトリエではユッタ氏と息子さんと少数の職人でアイテムの製作しています。


実際にお会いしたことはありませんが、写真越しでも伝わるエネルギッシュさ。
80年代なのでフェミニズム活動が浸透し、性差別的搾取や抑圧が見直されていたとはいえ、レザー職人の世界は男性が主流。その中で技術を磨くことは想像以上にエネルギーを浪費したはず。さらにそこから独立して経営・製作・販売、その他雑務・・・私に少しだけそのパワーを分けていただきたいほどです。

奥にいるのがユッタ氏の息子さんです。
実際にお会いしたことはありませんが、写真越しでも伝わる色気さ。

このアトリエ兼店舗で全ての工程を手作業で行われているのでしょう。


アトリエの窓には”We only repair our own products (自社製品のみを修理します)”。

いや、アウトソールがこんなにも積まれていたら修理をメインにしたショップだと勘違いする人も多いのでは。
そして、ウィンドウ越しからでも伝わるアルチザンさ。ワクワクしますね〜


全てハンドメイドは本当のようです。型起こし、レザーカット、アッパー部分を通す、一見容易に思う作業もラティゴレザーになると話は別。

ラティゴレザーは成オス牛革(ステアハイド)を植物性油脂で鞣した後に、オイルやグリースを入れたオイルドレザーですが、アメリカではその昔馬具で使用されていたほど耐久性に優れています。
つまり非常に堅固で、そのレザーをカットして甲の箇所にレザーを通すだけでもかなりの体力を使います。下の写真をご覧ください。ソール全体を左手で抑え、工具を握ったユッタ氏の右手からは力みと勢いを感じます。


私もその昔、かなり薄い趣味程度にレザークラフトをした経験があるのですが、硬いというだけで非常に扱いづらくなるのに加え、型紙通りカットするのもままならず、完成したのが立体でも平面でもない”なにか”。
もちろん私が使用した革は他のレザーよりほんの少し硬い程度。要するにそれ以上に硬いラティゴレザーを操り、繊細かつ力のいる作業工程をこなす職人がどれだけすごいのかということです。

そして、堅固なレザーということは履いた際のタッチ感はいかがなものなのでしょう。

至ってシンプル、硬いです。
・3ヶ月前後は痛いです。
・履き始めは長い距離を歩いてはいけません。
・近くのコンビニまで、短距離散歩をお楽しみください。
・徐々に距離や着用時間を延ばしてしていき自分の足に馴染ませてください。
・最初のうちではありますが着用後、足裏にレザーの染料がつき少し変色します。お風呂に入る際に足裏をご確認ください。この染料は健康に無害ですのでご安心ください。
・靴擦れをする際はストラップの内側にワセリンを塗ってください。

履き始めは注意事項が多いんです。
でも実際はちょっとずつ慣らしながらただ歩くだけです。

そこまでして何故履くのか?それ以上の魅力が詰まっているからとしか言いようがありません。

履き始めの靴擦れなどはストラップによる皮膚の痛みで、足が疲れて痛いということはまずありません。足裏が痛むこともない。その理由はユッタノイマンが製作するソールの形状にあります。


人間の足裏に沿って手曲げされたアーチサポートにJUTTA NEUMANN仕様でオーダーされたビルケン社製のアウトソール。
アーチサポートによる足裏のフィット感とビルケンソールのグリップ力とクッション性。それらが三位一体となり我々の足を疲れからガードしてくれるのです。

そして一番の問題児、ラティゴレザー。
履き始めの慣らし運転を終えると待っているのは快適なサンダルライフです。

頑丈さはそのままに履いた人(育てた人)の足の形状になり、ラティゴレザー特有の艶が生まれます。
そうなると他の人は履けない”自分だけのサンダル”、まさに我が子になるのです。この愛着はなかなか経験できることではありません。硬いブーツやデニムも”それ”に近いものがありますが、正直他人が育てても履けてしまいます。

しかし、モデルALICEをご覧ください。


そうなんです。
その人の指の形に変化するので、他の人が履くと妙な違和感を感じてしまいます。人の足の形やサイズ、指のサイズは人それぞれ。そのため残念ながら中古で安く購入することができないんです(そもそもサンダルを中古で買うのに抵抗がありますが)。前の持ち主がたまたま同じ、または似た形状の足でない限り。

育てた人にのみ懐く、”一生一代”な非常に愛くるしいサンダルなんです。
刺さる人にはとことん刺さるのがこのJUTTA NEUMANNであり、ラティーゴレザーを使用するからこそ倍増される愛着度。

もちろんそこにはユッタ氏のデザイン力も大きく加わります。

【モデル:ALICE】


【モデル:SIMONE】


厚めのソールに手打ちされた釘で重厚的無骨さがあるのに履いてみるとモダンな表情。
質実剛健でありながらどこか女性的なプロダクトなのは、やはりドイツ出身のJUTTA氏だからこそのデザインなのかもしれません。

ミリタリー?ワーク?デザイナーズ?スラックス?・・・何にでも合います。

懐古主義?流行主義?・・・誰にでも合います。

浴衣に甚平にだって、本気を出せば袴にも合うのではないか?と思うほどJUTTA NEUMANNの射程距離の広さに驚かされます。

世の中全体でもこの話が言えますが、レザーアイテムは特に年々価格が高騰しています。
今現在で税込で8万円越え!高いですよね〜

「ひと昔前だと〇〇円だったのにな〜。」

そんなお声も聞こえますが、そう言ってる間にも価格高騰の足音が聞こえます。
言い方が悪いのですが、どうせまた1・2年で価格は上がることでしょう。俗に言う”一番安い時は今この瞬間”ってやつです。

3年後に「3年前は8万円だったのにな〜っ!」と言った足元がJUTTA NEUMANNでありますように。



乱筆乱文で大変申し訳ございませんでした。

店頭にてお待ちしております。

投稿者|Daichi