Daichiです。
案の定、いや、想定以上に多くのお問い合わせをいただきありがとうございました。
お問い合わせ件数も数えきれないほどで、母からの連絡もお問い合わせと勘違いするほどに。
そんなお問い合わせのほとんどが、このアイテムたちに関することでした。




CALF LEATHER COVERALL JKT
CALF LEATHER FLIGHT JKT
CALF SUEDE LEATHER FLIGHT JKT
COW LEATHER ZIP UP JKT
昨年はフライトジャケットのみでしたが、今季からは3型が新たに登場。
当店も気合いをいれて、全4型を仕入れました。
そして、全てがオンラインアップ前に完売。
今回入荷したレザーアイテムに関しては当店のSNSやYoutubeでも詳しく説明をしているので、詳細はそちらをご覧いただけますと幸いです。
また、全国でお取り扱いのあるショップの方々が入荷時点で、SNSやジャーナルでこのアイテムの良さを沢山伝えられているので、今更説明は不要かとも思います。
かく言う我々は入荷準備でばたつき、お問い合わせでばたつき。
そう、完全に出遅れました。
「このジャーナルでいち早く詳細を!」
と思っていましたが、もう書く必要がないじゃないかと首を90度曲げて不貞腐れておりました。
「さて、なにを書こうか。レザー…革…皮…あっ。」
思い浮かんだのが “牛” についてです。
過去にお邪魔した鞣し工場の見学レポートを読み返したり、元原皮業者の方から聞いた話を思いだしたりしてこのジャーナルにまとめようと。
しかし、自分だけで牛を理解するには限界があります。
やはり現場の声を聞くべきですね。
畜産農家の知人に直接電話でインタビューをしました。
ここからは鞣しや加工などの話ではなく、あくまで “牛” の話。
どうぞ、お付き合いください。
先日届いたULTERIORのレザージャケットたち。
その商品説明には -国内飼育で生後3ヶ月以内- と記載されています。
3ヶ月ってどのくらいの大きさなのか?
なんで3ヶ月以内の皮がとられるのか?
和牛?ホルスタイン?交雑種(F1)?
この初歩的な疑問点も含めて畜産農家に伝えたところ、ありがたいことに写真を送っていただきました。
生後3ヶ月の仔牛の写真です。


右の写真に写る人と比べるとやはり小さいですね。
生後3ヶ月はまだ肉付きもよくないので単純に皮の面積が少なく、体重も200〜250kg前後とのことでした。
成牛で平均500~750kgくらいです。
このサイズだとジャケット2着が限界かと思われます。
いや、2着も怪しいところ。
上からの方がわかりやすいかもしれません。


※牛の耳につく「耳標(じひょう)」は様々な情報を読み取ることができるため、モザイクを入れております。
ちなみに生後4~5ヶ月になるとこうなります。


生後3ヶ月と比べて一回り大きくなり、皮も少し張っています。
しかし、それでもまだ小さいです。
写真に写っているのは和牛ですが、国内ではホルスタインが数を占めていることもあり、レザーとして使われやすいのはホルスタインのようです。
和牛とホルスタインの皮の違いは個体差もあるため明確にはできませんが、厚みがあり個体差があるのはホルスタインといわれます。
そう考えると今回のカーフレザーは、顔良や薬品を使用しない素上げで厚みがあり、シボが個体ごとに結構違うのでホルスタインの可能性がありますね。

“革はあくまで副産物”
革のために飼育はしないという有名な言葉です。
酪農家曰く、
「ホルスタインは大きくして乳をだす。」
「和牛は食用のために大きくする。」
要するに、どちらも基本的には子牛のままではなく、成長させていくことになります。
子牛は自家育成か、もしくは別の肥育農家に出荷・販売し、そこで育ててもらうそうです。
食用として出すのではなく。
ヨーロッパには若い牛を食肉用に育てるveal(仔牛肉)がありますが、日本ではこうした若齢牛の食肉利用は一般的ではありません。
日本の畜産では、子牛を育成・肥育し、成長させてから食肉として出荷するのが基本的な流れです。
上記のことからわかるように、国内では子牛の皮はほとんど取れないことになります。
では、なぜ国内のカーフレザーが存在するのか?
考えられる可能性の一つとして、疾病や事故などによって通常の肥育ルートに乗らなかった個体や、何らかの理由で早期に屠畜(とちく)された個体などが挙げられます。
ただし、これはあくまでも可能性の話です。
また、国産カーフは
「デリケートな革で傷が多く、その傷の部分は使用できないため、歩留まりが悪く希少性が高い」
という話を耳にします。
ところが先ほどの子牛の写真を見てもらえば分かるように、飼育されている子牛は一頭ずつ区切られた個室のような環境で大切に育てられています。
牛同士がぶつかったり、喧嘩をしたりすることでできる傷--業界では「アタリ」と呼ばれるそうですが、そうした傷はむしろ少なく、原皮そのものは綺麗だと言います。
では、なぜ “使える面積が少ない” と言われるのか?
考えられるのが皮剥ぎの工程でつく傷や、生前の治療・処置によって残る跡です。
もちろん、すべての国産カーフに当てはまるわけではありません。
非常に若い牛の原皮はそもそもの流通量が限られているうえ、一枚の皮から傷のない部分だけを選んで革として使うとなれば、さらに使える面積は限られてきますよね。
これが国産カーフが希少だと言われる理由の一つです。

いかがでしたでしょうか?
すでに完売してしまったので、
「おすすめですよ!」
と、声を大にできませんが、このジャーナルを書いているうちに別の言葉を声にしたいと思っております。
国内カーフの希少性。
延命治療などを含め、肥育に携わる方々の並々なる努力。
一枚の革が私たちの手元に届くまでの物語。
価格は税抜きで23~28万円。
決して安価ではないのですが、
先ほどの背景や理由を知ることで、それ以上の価値と魅力がその一着に、パンッパンッに詰まっていることがわかります。

〜今回レザージャケットをご購入された方々へ〜
間違いなくこれから長い付き合いになる最高の一着です。
雨の日だけ少し気をつけつつも気負わず、たくさん着てください。
〜今回ご購入を逃されてしまった方々へ〜
おそらくですが、どこのお店もSOLDかと思われます。
是非とも、次回販売された際にお会いしましょう。
それでは店頭にてお待ちしております。
投稿者|Daichi

